ギャルが地味男に恋をした
1.それは突然やってきた
高校2年生。
夏休みを目前に控えた暑い日。
それは突然やってきた。
「え、追試!!?」
夏休みの計画を友だちとたてていたとき
担任の沢村先生に言われた、
先日の期末テストの追試のお知らせ。
「うん、浅川さんほとんど赤点だからね〜、夏休みの少しの間、補習受けてもらって、再テストするから」
そう言われて渡された補習のスケジュール表は、7月から8月の頭まで土日以外全部埋まっている。
がーん。ショック。
みんなで海行ったりお泊まりしようとか
今いま計画たててたのに。
「もー、あたしのバカー!!」
巻いた髪の毛をわしゃわしゃする。
なんでテスト前日寝ちゃったんだろう。
なんでノートとっておかなかったんだろう。
自業自得なのに、数日前の自分を心から恨む。
「ありゃりゃ、ユイナおつー」
「前半遊べないじゃん、ファイト!」
「まーその間うちらはバイトして、
お金貯めときますか」
友だちが笑いながら労ってくれる。
なんでこいつらは赤点ないのか、
それだけが不思議だ。
ちゃんと勉強したんだろうな〜。
要領がいいって、こういうことか。
夏休みに学校なんか行きたくないけど
単位取れないとヤバいし、担任の沢村先生にも申し訳ない。
しゃーない、夏休み補習、がんばろっと