【短編】続・過多想い
出口を出ると泣いてる楠瀬を抱きしめながら
陽大が頭を撫でてた

声掛けにくいな…そう思った瞬間
2人がキスをした


俺は思わず多々良の手を取って
黙ってその場から離れた


多々良は俺の後ろで居たから
見えてるのか見えてないのかわかんねーけど…


「ねぇなんでそんなに急ぐの?」


「あぁ?何でもねーよ」


あっ…きつく言いすぎた


「私なんかした?」

「ごめん
何でもないから気にすんな」


しょんぼりする多々良を抱きしめた


もういい


友達じゃいられなくなっても…


「そんな顔すんなよ」


多々良の手が俺の背中に回ってくる

これって現実だよな?



「俺…多々良が好きだ」


「私も神崎が好き」


まぢで?

俺は驚いて少し身体を離して
抱きしめたまま多々良を見つめた


ほんのり頬を赤くして
照れたように笑う多々良が可愛かった


「神崎とじゃなきゃお化け屋敷だって入れないよ」


こいつ知能犯か?


俺はまんまと多々良の手中に嵌った訳だ


「俺かなり独占欲強いよ?」


「うん…神崎に独占されたい」


「結海…」

名前を呼ぶだけでドキドキする


「俺と付き合ってください」


「はい」


嬉しくて力を込めて抱きしめた

結海が背中に回した手を強める


「健太~?」

結海が健太って呼ぶ声に
心臓がドキドキする

「心愛達に負けないぐらいラブラブになろうね」

ここでも負けず嫌いな訳な

でも嫌じゃない

「もちろん」

俺はもう一度抱きしめた



結海と両思いになれるなんて思ってなかった

俺はすごい幸せだ
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