【短編】続・過多想い
向きを変え神崎に優しく抱きしめられる

「置いてったりしねーよ
だから頑張って出ような?」

頭を優しく撫でられて気持ちが落ち着く

うん、頑張るぅ
頑張れる~

顔を見上げて神崎を見つめた


「本当に置いてかない?」

泣きながらも笑顔が出る


「置いてかない」

良かった~

もう本当怖すぎ

神崎が安心出来るように手を恋人繋ぎしてくれる

すごく嬉しい

ビクビクしながら進みながら
神崎にしがみつく

神崎が凄く優しくて安心出来る


でも、お化けが出てくる瞬間は怖い

神崎はどうしてこんなに優しくしてくれるのかな?


「多々良って男とお化け屋敷入った事あるのか?」

「…あるよ」


「その時も今日みたいだったのか?」


「笑わない?」


絶対笑うよ

だって恥ずかしいもん

「笑わないから言ってみ?」

本当かなぁ?

「……置き去りにして入り口に向かって
走って逃げて係りの人に怒られた」


恥ずかしくなって俯いた

今、絶対真っ赤になってるよ

なのに、神崎はあり得ないぐらい爆笑してる



「ひどーい
笑わないって言ったのに~!!」


頬を膨らませて睨みながら怒るけど
まだ笑ってる


「入り口逆走は有り得ないだろ!!
まぢおもしれ~!!」


「それ以来お化け屋敷入ってなかったのに~」

2度と入らないって思ってたのに…

「怖いなら嫌だって言えば良かったのに~」

「だってこんなに怖いと思わなかったんだもん」

拗ねるけどまだ神崎は笑いを堪えてる

「でも、神崎が置き去りにしないって
手を繋いでくれてたから安心できた」

本当に安心できて笑顔が溢れるのがわかる



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