【短編】続・過多想い
「俺もう手繋がねーからな」

「えぇ?!?!」

さっきはあんなに優しかったのに~

いつも神崎が優しくしてくれるからって
何度も優しくしてくれるって思っちゃダメだよね

「じゃあ良い、頑張る」

頑張れるかなぁ

「逆走したら困るから繋いでやるよ」

また笑ってるけど手を差し伸べてくれる
嬉しくてその手を握ったんだ

ねぇ特別なのは私だけだよね?


「神崎って何だかんだ言って優しいよね」


「おまえ……バーカ」


「えっ何?」

最初と最後しか聞こえなかったよ

おまえだけ?おまえだから?
良いようにとっちゃうよ

「あっお化けが出た」


「ギャ――――」

首なしまぢで怖いぃ


神崎はクスクス笑ってる

「2回目もやっぱり怖いよ~」

本当怖い


「だから止めとけって言ったのに…」


「だって確かめたかったんだもん」

神崎がもう一度優しくしてくれるのか…

手を繋いでくれるのか…

これって特別だよね?

私が期待しすぎなのかな…


「多々良っていつも男にこんな風にしてんのか?」

「しないってかお化け屋敷入らないもん」


お化けがまた出てきそうじゃない?



「おまえな~これは勘違いされるぞ?
思わせぶりすぎだろ??」

「…神崎ならい、ギャ―――」


神崎なら勘違いされてもいい

そう言いかけた時またお化けが出てきた

最後のお化けを通り過ぎた後
ようやくお化け屋敷から出れた

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