【短編】続・過多想い
週末は遊園地にやってきた
「あれ乗りた~い」
楠瀬が指をさしたのは
すっげー長いジェットコースター
「いきなり激しいな」
陽大はそう言いながら笑ってる
「面白そう」
多々良は怖くねーのか?
実は俺…ジェットコースター苦手なんだよな
だけど、そんなダセー事言えねーよな…
楠瀬と陽大が一緒に乗り込んだから
俺は多々良と乗り込んだ
本当なら隣に多々良
しかもこれだけ距離が近い
嬉しいはずなんだけど…
俺は今、全然余裕がありません!!
まじで大丈夫か?俺…
「神崎顔色悪くない?」
「んな事ねーよ!!余裕!!」
んな事あるし余裕なんかねーよ
だけど、多々良にダセーとこ見せれないよな
ジェットコースターが進みだした
「キャー」「イェーイ」
楽しそうな声が聞こえる中
最初の下りから目を瞑って固まったままの俺
揺れる揺れる!!
落ちる~!!
そう思うけど声も出せれなかった
何とか到着してジェットコースターから降りる
「神崎?
本当大丈夫??」
「まぁ何とか…」
4人で近くのベンチに行き
俺は陽大に寝かされた
「神崎君大丈夫?」
楠瀬まで心配してる
俺かなり顔色悪いのか?
多々良が買って来たジュースで
おでこを冷やしてくれる
こういう優しい奴なんだよな
心配そうに俺を見ている顔を見て
キューっと胸がしめつけられる
「私が神崎についてるから
2人は楽しんできなよ?」
「えっ…でも…」
「心愛達だけでデートしておいでよ?
私も神埼が復活したら遊ぶし
17時なったら電話して?」
「わかった」
「健太は無理すんなよ?」
陽大にそう言われて
顔を見ずに片手を挙げて手を振った