【短編】続・過多想い
「おっ、お化け屋敷がある」

「えっ?」

「次はあれ入ろうぜ~」

結構お化け屋敷とか笑えるし
好きなんだよな

「あっ…うん」

もしかして怖いのか?


「怖い?」

ニヤニヤしながら聞いてみた


「怖くないもん」


でも、涙目になってっぞ?

すっげー可愛いんだけど


「じゃあ止めとくか?」


「怖くないってば」


多々良がお化け屋敷の方にズンズン歩いて行く


意地っ張りで負けず嫌いなんだよな

素直に言えば良いのに…

ってさっきの俺もか


「大丈夫なのか?」


「もう神崎しつこい!!」


心配してるのに意地張りすぎだろ?

もう俺、知らないからな

止めてやんね~


俺の前をどんどん歩いて行ってたくせに
お化け屋敷に入って3歩ぐらいで
立ち止まってしまった


顔が真っ青だ

やっぱ怖いんじゃねーか


「ほら!怖いんだろ?」

俺が手を差し伸べてやると
素直に手を握った

細くて柔らかい

守ってやんなきゃ

俺はこの時そう思ったんだ

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