【短編】続・過多想い
「いいよ!!
大丈夫な事証明する」


俺の手をグイグイ引っ張って歩く多々良


お化け屋敷に入ってしまった



「俺もう手繋がねーからな」

手を繋いだら気持ちが暴発する


「えぇ?!?!」

そんな可愛い顔すんな


「じゃあ良い、頑張る」


はっ?!

ちょっと待って

過去に多々良は逆走してんだよな?

今されたら堪らないな


「逆走したら困るから繋いでやるよ」


俺が差し出した手を嬉しそうに握るんだ


「神崎って何だかんだ言って優しいよね」


「おまえだけだよ、バーカ」

すっげー小声で言った

「えっ何?」

「あっお化けが出た」

さっきの首なしだ

「ギャ――――」

やっぱ怖いんじゃん

クスクス笑ってしまう


「2回目もやっぱり怖いよ~」


そりゃ1回目あれだけ怖がってれば
どこでどんなお化けが出てたか覚えてねーだろ


「だから止めとけって言ったのに…」


「だって確かめたかったんだもん」


はぁ…意地っ張りだな


1回目よりかは密着度が少ないけど
それでも多々良は俺にしがみついてた


もう我慢の限界かも…


「多々良っていつも男にこんな風にしてんのか?」

「しないってかお化け屋敷入らないもん」

そういう意味じゃなくて…

「おまえな~これは勘違いされるぞ?
思わせぶりすぎだろ??」

「…神崎ならい、ギャ―――」


はっ?!

神崎なら何だよ!!


悲鳴で肝心なところが聞こえなかったし…


無情にも出口だし…どんだけへたれな俺だよ

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