チョコレート(仮完)
「あら、梨乃ちゃんじゃない!
上がってちょうだい♪」
悠斗のお母さんの
千里(ちさと)さんが出てきた。
「千里さん、お久しぶりです。
えと、今日は悠斗に用があって…」
「悠斗なら部屋にいるわよ。」
千里さんは、そういって少し微笑み、
台所の方へ戻って行った。
悠斗の部屋は2階。
いよいよだ…
紙袋の中には、
心を込めて作ったトリュフ。
「よしっ…」
私は、気合を入れて、
階段を上った。
何となく、音を立てずに……。
悠斗の部屋の前についた。
私はとりあえず深呼吸。
だけど、心臓は早くなるばかり。