もう一度だけ、キミに
保健室と君の熱
――――何故、こんなことになった?
目の前には、
彼の切れ長なのに穏やかな黒い瞳。
黒短髪の髪の奥に見えるのは、白い天井。
じっ…と見詰める彼の顔が少し陰ったのを視界に捉え、私は少なからず困惑した。
だけど、彼はそんな私に構わず、
私の顔の横に両手をついた。
ぎしり…寝ていたベッドのスプリングが軋む音がして、もう、意味が分からなくなる。
「―――…柳瀬」
耳元で彼がそう、囁いた時。
私はきゅ…っと強く目を閉じた…。