もう一度だけ、キミに
シャッ…と開くカーテン。
私は咄嗟に目を閉じようとしたが。
「…あれ?起きてたのかよ、残念」
間に合わず、
バッチリ西藤と目があった。
……残念って何だ。
「…最初から寝てないし」
寧ろお前の謎過ぎるメールのせいで、
センチメンタル化してたわ、アホ。
声には出さないが、
心の中で悪態づく。
「ふーん」
私の返答に、然程興味が湧かないのか、薄い返答をしながらガタガタと簡易的な椅子を私の寝るベッド脇まで近付けて座る西藤。
私はゆっくりと体を起こした。
「…体調はどう?」
「まあまあかな」
「そう」
「うん」
淡々としてるが少し柔く笑う私に、
フッと真顔だった表情を和らげる西藤。
あ、この表情好きだな…。
「柳瀬、今日の解剖
頑張ったな。偉い偉い」
くしゃくしゃと頭を、と言うか髪の毛を乱すように撫でる西藤に心臓が小さく反応する。
「ちょっ…、髪がぐしゃぐしゃになる!」
心臓の音が西藤に届かないようにそう言って、言葉で隠す私は本当にヘタレだ。
「もっとぐしゃぐしゃになれ~」
「あ、おいこら止めい!」
「ぷぎゃー!やだね~」
「なっ…!地味にムカつく!!
バカにしてるでしょ西藤!!?」
「うん」
にっこり笑う西藤。
殴っていいかなこいつ。