オレンジロード~商店街恋愛録~
18歳といえば、夜の仕事ができる年齢だ。
その頃のレイジの知識では、時給がよくて、週に数日働くだけで今までより金が稼げて、楽ができるだろうという程度。
働くことが億劫だったレイジにとっては、ある意味では魅力的な世界だったのだ。
で、幸いなことに、顔だけはよく産まれたレイジは、ホストになった。
そこで覚えたのが酒だった。
入った初日に一気飲みを強要されて、そのまま倒れたのだけれど、でも初めて何も考えずに眠ることができたことに感動を覚え、次の日からはタダで大量に酒を飲みたいがためだけに出勤するようになった。
適当に客の話に相槌を打ち、言われるがままに一気飲みをするレイジは、次第に気に入られるようになった。
さらには慣れてくると人の真似をして会話を上手く運ぶことも覚え、客がつき、店長からも褒められた。
その頃もまだ、生きることへの希望も価値も見い出せていなかったレイジだったが、初めて仕事をサボることもせず、毎日ちゃんと出勤するようになったのだから、それなりに肌には合っていたのだろう。
少しずつだが、着実に順位は上がっていた。
まだまだナンバー入りするほどではなかったが、なぜか店長に気に入られたレイジは、素質があるとでも思われたのか、ホストという仕事のイロハをすべて教え込まれた。
「簡単なのは客と寝ることだ」と店長は言った。
セックスは好きでも嫌いでもなかったが、面倒くさいという意味ではほとんどしたことがなかった。
が、店長に「今よりいい酒が飲みたいなら太い客を掴め」、「そのために一番簡単なのがセックスだ」と教えられた。
店長はきっとレイジの短絡的な思考を見抜いていたのだろうが、それにまんまと乗せられる形で、レイジは客と寝るようになった。
客と寝るようになってからは、簡単に、さらに順位が上がり、そのおかげで店長が言う通り、美味くていい酒が飲めるようになった。
どれほど女を抱いても、誰に対しても一切の感情もなく、やっぱりそれすら酒のためでしかなかったのだけれど。
酒を飲んでいれば、苦々しい過去を思い出さないで済んだから。
生きたくないとか死にたいなどということを、ぐちゃぐちゃと考えなくて済んだから。
その頃のレイジの知識では、時給がよくて、週に数日働くだけで今までより金が稼げて、楽ができるだろうという程度。
働くことが億劫だったレイジにとっては、ある意味では魅力的な世界だったのだ。
で、幸いなことに、顔だけはよく産まれたレイジは、ホストになった。
そこで覚えたのが酒だった。
入った初日に一気飲みを強要されて、そのまま倒れたのだけれど、でも初めて何も考えずに眠ることができたことに感動を覚え、次の日からはタダで大量に酒を飲みたいがためだけに出勤するようになった。
適当に客の話に相槌を打ち、言われるがままに一気飲みをするレイジは、次第に気に入られるようになった。
さらには慣れてくると人の真似をして会話を上手く運ぶことも覚え、客がつき、店長からも褒められた。
その頃もまだ、生きることへの希望も価値も見い出せていなかったレイジだったが、初めて仕事をサボることもせず、毎日ちゃんと出勤するようになったのだから、それなりに肌には合っていたのだろう。
少しずつだが、着実に順位は上がっていた。
まだまだナンバー入りするほどではなかったが、なぜか店長に気に入られたレイジは、素質があるとでも思われたのか、ホストという仕事のイロハをすべて教え込まれた。
「簡単なのは客と寝ることだ」と店長は言った。
セックスは好きでも嫌いでもなかったが、面倒くさいという意味ではほとんどしたことがなかった。
が、店長に「今よりいい酒が飲みたいなら太い客を掴め」、「そのために一番簡単なのがセックスだ」と教えられた。
店長はきっとレイジの短絡的な思考を見抜いていたのだろうが、それにまんまと乗せられる形で、レイジは客と寝るようになった。
客と寝るようになってからは、簡単に、さらに順位が上がり、そのおかげで店長が言う通り、美味くていい酒が飲めるようになった。
どれほど女を抱いても、誰に対しても一切の感情もなく、やっぱりそれすら酒のためでしかなかったのだけれど。
酒を飲んでいれば、苦々しい過去を思い出さないで済んだから。
生きたくないとか死にたいなどということを、ぐちゃぐちゃと考えなくて済んだから。