僕と三課と冷徹な天使 ~2015バレンタイン
・・・このまま
ずっとこうしていたい。

でも・・・どうにかなってしまいそう・・・

・・・やばい気がする。

離れられないけど、離れないと・・・

でも離れたくない。

や、やばい・・・暴走しそう・・・

僕の顔が
勝手にコオさんの髪をかきわけ、
首すじに近づきはじめる。

うわー・・・

止めたいけど止められない。

・・・すると遠くから聞き覚えのある
音楽が流れてきた。

これは確か・・・
コオさんの電話の着信音。

僕の暴走はぴたっと止まった。

「・・・コオさん、電話鳴ってます。」

「・・・いいよ。出なくても」

コオさんも離れたくないと
思ってくれているのはうれしいけど、
色々と限界なのです・・・

「いや、あの、出たほうが」

と言って
抱きしめていた腕を緩める。

言いながらも
名残惜しい僕の手のひらは
コオさんの腰から離れない。

「むー・・・いいのに・・・」

コオさんも腕の力を緩める。

諦めて僕もコオさんから手を離した。

まだ着信音は鳴っている。

めんどくさそうに
コオさんは立ち上がって
鞄から携帯を取り出す。

「はーい、もしもし」

かなり不機嫌。
相手の人大丈夫かな・・・

でも人の心配をしている場合じゃない。

僕も通常運転に戻らないと。
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