僕と三課と冷徹な天使 ~2015バレンタイン
昼ごはんを食べ終わって、
屋上に向かおうとすると
コオさんに呼び止められた。

「灰田、これ森本君にあげて。
 いつも灰田がお世話になっているから」

と言ってチョコを僕に渡す。

あ、これ森本用だったんだ。

灰田がお世話になってるって・・・

コオさんはたまに
お母さんみたいになる。

「はい、わかりました」

苦笑いしながら受け取る僕。

ふと思ってコオさんに聞く。

「残りの二個は部長と松井課長ですか?」

「うん、そう。さっさと渡しに行こ」

コオさんは言いながら立ち上がった。

坂崎さんにはあげないんだ。

ふふふ。

小さな優越感に浸る僕だった。
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