徒然なるままに幽霊小話。
昼間の山
友人の話です。
子供の頃、近所の山に一人でカブトムシを採りに行った。 山を登ると、ふと奥に通じる細い獣道を発見した。 その日はカナブンしか居らず、ふてくされていた友人は、そのまま奥 の獣道に入って行ったそうだ。 10分ほど上り詰めた所に、森の木々がぽっかりと丸く空いた場 所に出た。 その円形に空いた場所だけ白い砂が固まった様な地面で、まる でステージのようだったという。 「神秘的~」とか言いながらその中央に寝転ぶと、真っ青で綺麗 な空が広がっていた。 「綺麗だなぁ」なんて思いながら、少しの間寝転んでその空を 眺めていたが、 急に我に帰り、もと来た道を駆け出したそうだ。
「だって、カブトムシって夜に活動するから、夕方くらいに 採りに行ったんだよ。 どう考えても、あの青空は真っ昼間の空だった」
その後、その山でカブトムシを採りに行くことはしなかったそ うだ。
子供の頃、近所の山に一人でカブトムシを採りに行った。 山を登ると、ふと奥に通じる細い獣道を発見した。 その日はカナブンしか居らず、ふてくされていた友人は、そのまま奥 の獣道に入って行ったそうだ。 10分ほど上り詰めた所に、森の木々がぽっかりと丸く空いた場 所に出た。 その円形に空いた場所だけ白い砂が固まった様な地面で、まる でステージのようだったという。 「神秘的~」とか言いながらその中央に寝転ぶと、真っ青で綺麗 な空が広がっていた。 「綺麗だなぁ」なんて思いながら、少しの間寝転んでその空を 眺めていたが、 急に我に帰り、もと来た道を駆け出したそうだ。
「だって、カブトムシって夜に活動するから、夕方くらいに 採りに行ったんだよ。 どう考えても、あの青空は真っ昼間の空だった」
その後、その山でカブトムシを採りに行くことはしなかったそ うだ。