結婚してください

「随分と楽しそうだな。学校は楽しいかい?」


「うん。お陰さまで。」


「彼も一緒だったね。」


「うん。」


やっぱり気になるのかな? 私が一緒にいると。 一応、私は英輔の妻だし。その妻のBFって言ったらいい気はしないだろうから。


「よかったよ。」


よかった? 何が良かったの? 山崎と一緒にいることが英輔には良いことなんだ。


それは、私に彼氏が出来ると遠慮なく自分も彼女と居られるから? 結局はそうなるんだよね?


英輔は私の顔を見ると珍しく微笑んでくれた。


最近、英輔の表情が柔らかい。というか、以前のような無表情が少なくなってきた。


それは、私があの屋敷から居なくなったから? それほど、英輔にとっても私があの屋敷にいることが苦痛だったのだろうか?


だとしたら私たちの別居は正解だった。間違いなかったと言える。




この後二人でドレス合わせの為にオーダーメイドの店を訪問した。ある程度のものは準備されたいたので最終調整になるらしい。


「奥様は小さくお可愛いのでもう少しフリルを足してもよろしいかと思いますよ。」


はぁ・・・学校で小さいとは言われないけど。藤堂家の周りの女子ってみんなかなり背が高いのよね。


「学校の紫陽花のパーティの時のも良かったけど、これも良いね。」


英輔の意外な言葉を聞いたかもしれない。前のドレスの時無言だった気がするんだけど。私のドレス姿見て初めて感想言ったと思うけど?





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