結婚してください
煌びやかなパーティ、私たちの為に準備されたもの。
だけど、私の居場所なんてどこにもない。
つまらないな。
名ばかりの妻なんて、藤堂家の長男の妻として挨拶をしても、私の居場所はない。
英輔の隣にいるのはいつもあの藤沢愛華なのだから。
え?・・・・なにっ・・・これってまるで嫉妬しているみたい!
そんなんじゃないのに。
私は・・・・
とにかく、一度パーティ会場へ戻ろう。あれだけ英輔が演じているのに私だけ拒否するような態度は失礼だし、親族の人たちも気分悪くするよね?
私も一応藤堂家の人間になったんだから。
そして、
パーティ会場へと戻っていくと、そこでは、英輔と藤沢愛華が手を取り合ってダンスを踊っている。
優雅な音楽に合わせ沢山の人が踊っている。その中でも特に目立つのが英輔たち。
仲睦まじく周りの人の視線を奪っている。 そう、生まれながらのお嬢様。藤沢愛華は英輔にお似合いの人だ。
私には踊れないし、あんなふうに優雅でもない。
こんな二人を見せ付けられると絶望感に襲われる。
この先もずっと名前だけの妻を演じなきゃいけないの? それっていつまで?
そういえば、英輔は離婚はしないとハッキリ言った。と言うことは、私は死ぬまでこの状態が続くの?!
また、暗闇に襲われそう。息が出来なくなる。 苦しい・・・・
もう、嫌だ。
一刻も早くここを出たい。
じゃなきゃ、私、また苦しくなる。