結婚してください
返信を悩んでいた私。
「行く」とも「行かない」とも連絡は入れていない。
けれど週末まで数日。この返事は義父が絡むだけに簡単にはいかない。
行かないにしてもそれなりの理由が必要だ。
そんなことを悩んでいると帰りのHRの時に担任に呼び出された。
放課後職員室へ向かうと先生からお小言が始まる。
また何か私したの? 不味いことやったのかな?と思っていたら先日の定期考査の結果が最悪で今度の土曜日に追試があるらしい。
おまけに、日曜日の模擬試験も国立進学クラスの生徒と一緒に受けろと言われた。
「お前は大学行きたいのだろう? だったらもう少し考えて勉強しろ。そのために国進クラスと一緒にお前の実力を試すテスト受けさせるからそのつもりで勉強しろ。」
中学時代は私も猛勉強した。この学校へ入りたくて。
頭の良かった山崎でさえ必死に勉強して入学した学校だ。私は到底無理だと思いながらも必死に毎日寝る暇を惜しんで勉強し私も合格を決めた。
だけど、今は 勉強は手に付かない。だから、この学校のレベルに追いつけないでいる。
担任は私のその入試の時点での成績も知っているから、私に勉学に励めと後押しをしてくれるがどうも今の私は身が入らない。
「大学諦めようかな・・・・就職しようかな」
「マジ? おまえが? そりゃあ 不味いだろ? 藤堂家の嫁が仕事見つかるはずねえって。」
「それ言わないでよ。」
「なあ、一緒に勉強頑張ってさぁ、同じ大学行こうよ。俺、またお前と一緒に勉強したいよ。」
そんな嬉しいこと言われると顔が真っ赤になっちゃうよ。心臓がバクバクして胸が押しつぶされそうになるくらいドキドキする。
「なっ、一緒に大学行こう。」
「うん」
このお陰で英輔のメールに断る口実ができた。