結婚してください
・・合宿での夜
「先輩、プラネタリウムは諦めましょう。
今年は野外で星空の観察をすれば良いじゃないですか?」
やはり、山崎は俺と亜紀の邪魔に入るのだな。それならそれでも良い。
俺は協力はしない。好きにすれば良いさ。
「山崎、しかし、藤堂さんの奥さんがいるのなら、交渉してもらっても良いだろう?」
「そうだよな。だけど、藤堂って女子いないよな。」
「何かの間違いじゃないですか?」
誰も亜紀が俺の妻だとは気づかない。
それほど似合わないのだろう。俺と亜紀では。
それもそうだろうな。
今の姿を見れば明らかだ。
俺は高級スーツを身に纏い、亜紀は安物洋服を着ている。
あまりにもみすぼらしい格好だ。
「そうですか。ならば失礼します。」
亜紀は俺に頭を下げるのが嫌なのだろう。
それに、俺に3日間も妻として振舞えというのも嫌なのだろう。