結婚してください

亜紀は俺の顔を見たがまた俯いてしまう。


随分と嫌われたものだな、我が妻に。


まあ、それならそれでも良い。お前の好きにすれば良い。


「英輔! 何しているの? みんな待っているわよ。」


愛華。面倒なところへ来たな。


「もう少し待たせておけ。お前も向こうに行っていろ。」


「ええ? 私もなの? 何しているの?
・・・・亜紀さん?」


愛華が亜紀に気づいた。 女同士は面倒だ。


愛華は亜紀に逆らいすぎだ。あまり会わせたい二人ではない。


「行くぞ。」


「彼女いいの?」


愛華が気にすることではない。これは俺と亜紀の問題だ。


俺は愛華を無視し建物の方へと歩いていく。


すると、亜紀が思いつめたようにしながら声をかけた。


「分かりました。プラネタリウムをサークルのみんなに貸してください。」


亜紀が思いも寄らない返事を出した。


まさかそんな返事を聞けるとは思わなかった。


俺は正直驚きで声にならなかった。


それは山崎も同じだったようだ。


「どういうこと?」


「なんで田所さんが?」


「山崎、お前の彼女だろ?」


サークルのメンバーも混乱していたようだ。


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