結婚してください
亜紀を部屋へ案内するとシャワーを浴びさせ部屋で待つように言った。
その間、俺はみながくつろいでいる広間へと向かった。
「英輔! お前の奥方が来ているそうじゃないか。」
「愛華から聞いたぞ。奥方はどちらだ?」
珍しいからな。亜紀を見たことのない奴らばかりだ。
「今夜は疲れているから休ませた。明日紹介するよ。」
「なんだ? もうベッドか?」
「もう新婚でもないだろう? 藤堂家の嫡男は18で嫁を貰うからな。」
「残念ながら俺たちはまだ新婚と同じだよ。ということで、悪いけど、先に休ませてもらうよ。妻が待っているから。」
わざとそれらしく言ってみた。周りの連中は俺を信じるのだろうか?
しかし、正直なところ部屋へ戻るのは気が重い。
亜紀にはまた逃げられそうで俺はどうしていいのか分からない。
取りあえず、屋敷の柴崎へと電話をかけ明日朝一番で使用人たちをよこすように指示を出した。
亜紀がいるのだから、何かと準備が必要だ。
明日のドレスアップした姿が楽しみだ。
2年前とは違う魅力がある。もうお前を逃がすわけにはいかないんだよ。