結婚してください
宿泊施設に戻るとサークルのみんなも施設の広間に集まっていて私の帰りを待っていた。
英輔の招待客とバーベキューでは話が盛り上がり一緒にプラネタリウムを見たりサークルによる星の伝説話で盛り上がっていたそうだ。
「随分とゆっくりだな」
「みんな心配して待っていたのに。」
「治療にそんなに時間かかったのか?」
「奥様と随分楽しい時間を過ごされたみたいね」
「本当に当てられっぱなしの3日間になりそうだわ。」
みんなからの野次が飛ぶ。
けれどそんな野次に嬉しそうに応える英輔。
「じゃあ 亜紀は疲れているからもう俺たちは休むよ。
後は、適当に過ごしてくれ。じゃ。」
そう言うと私の肩を抱き寄せ部屋へと向かう。
ホストなのにお客様を放っといて大丈夫なの?と少し不安にもなった。
「ホストがいなくても良いの?」
「亜紀との時間が何より大事だから。」
「でも・・・お客様でしょ?」
「いいんだよ。」
英輔は遠い目をしながらそう言う。
部屋へ戻ると私には休むように言う。
坂田さんに手伝ってもらいながら着替えを済ませベッドに横になっている。
英輔は少し本を読みたいからと一度部屋を出て行く。
本を読みたいのは口実で藤沢愛華に会いに行くんだ。
英輔はどんなに優しくしてもそれは私が妻だから。
ベッドに横になると少し睡魔がおそい眠ってしまう。
しかし、何時頃だろうか目を覚ました。ベッドには英輔は戻ってはおらず部屋には私一人。
藤沢愛華と一緒にいるのだろうかと気になって広間の方へと様子を伺いに行く。
するとそこには英輔が招待したお客の数人がそこにいてなにやら談笑していた。
「まったく、英輔は何を考えているのやら。」
「そうだ、あんな嫁、さっさと別れれば良いのに。」
そんな言葉に私の体は固まってしまう。