結婚してください
「元気良すぎだわ」
「男の子かもしれないね」
「やっぱり、家としては男の子がいいのよね?」
「亜紀が産んでくれるんだから、どっちでもいいよ。」
そんな言葉を投げかけると恥ずかしそうに頬を赤く染める亜紀。
まるで新婚さんでも見るかのような二人のやり取りだ。
「女の子だったらどうするの?」
「男の子が生まれるまで頑張るよ」
「・・・・跡継ぎは必要だよね」
「そんなの気にするな。なるようにしかならないよ。」
とは言うものの、やはり跡継ぎの男子は欲しい。
でも、これを言えば亜紀にプレシャーをかけてしまうし、また、家から逃げ出してしまいそうで怖い。
だから、俺は男子は望まないと決めた。
亜紀が俺の子を産んでくれることに感謝している。
ただ、それだけでいい。
俺は藤堂家より亜紀が欲しいんだ。
だから、今は、二人の時間を大切にしたい。
俺は、いつからこんな男になったんだろう?
藤堂家より嫁が大事だなんて・・・・
きっと、親父が聞いたら驚くだろうな。