結婚してください
大きなお腹に疲れやすくなった亜紀。
なのに、無理して長い時間歩かせすぎたのだろうか?
それとも、心労なのだろうか?
妊婦にしても疲れやすい亜紀がとても心配だ。
眠る亜紀の手を握り締めていた俺までもいつのまにか眠ってしまっていた。
そしてどれくらい眠っていたのだろう? 亜紀の匂いに癒されてしまったようでしっかり眠っていた。
ところが、そんな俺の目の前に苦しむ亜紀の姿があった。
突然の出来事に俺は驚きで一瞬体が固まってしまった。
「亜紀!! どうしたんだ?!」
「お腹が痛み出したの・・・・・」
「陣痛なのか?!」
さっき午前の散歩に出かけたばかりだろ?!
戻ってきて少し眠ったにしても、こんなお日様が高々と上っているときに陣痛は起きるものなのか?
ふつうは夜に陣痛はくるものじゃないのか?!
そう思って窓の外へ目をやった。すると、外はもう暗くなり始めていた。
俺はいったい何時間眠っていたんだ?!
「陣痛の間隔はどれくらいなんだ?」
「そんなに早くないわ。でも・・・」
亜紀の様子がまた変だと感じて寝ていたベッドから起き上がった。
すると、亜紀は破水していた。
「大丈夫か?!」
俺は思わず大声を出してしまった。