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その後、亜紀の体調も子供も順調だった。


予定通りに1週間程度で退院した。


そして亜紀専属の看護師がいるマンションへと向かった。


亜紀はもしかしたら藤堂家へ連れて行かれるのか?と不安だったようだが、実家の両親の風邪が悪化してしまいマンションへと帰ることにした。


「ほんとうなら実家へ行くのが一番いいんだけどね。」


「しょうがないわ。こんな時にお父さんの風邪をこじらせてお母さんまで寝込んでいるんだから。」


「亜紀も心配だろうから、お義母さんのところに家政婦と看護師さんを雇ったから。
亜紀は心配しなくてもいいからね。」


きっと出産していなければ亜紀が実家へ手伝いへ出向いていたと思う。


今は亜紀の体を一番大事に考えてあげたい。


「ありがとう。お母さんたちのことまで気にかけてくれて。」


亜紀はこれまで以上に嬉しそうに微笑んでくれた。


俺はそんな亜紀の笑顔を見ていたかった。


亜紀の笑顔が見れるのだったら、これくらいなんでもないことさ。


俺は亜紀と生まれた子供と幸せいっぱいの日々を送っていた。


子供の名前を考えながら。


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