結婚してください

「そうね、英輔の次にこの藤堂家を背負っていくんですものね。」


分かってはいても私には心苦しい。


「亜紀はまだ出産して体調が万全ではないんだ。
パーティでは無理したらいけないよ。
顔さえ出してくれれば後はなんとかなるから。」


「うん、ごめんね。」


未だにパーティへの参加には抵抗がある。


英輔はそんな私を気遣ってパーティへ無理に連れて行くことはしない。


以前ならば同伴者に藤沢愛華を連れていた。しかし、今は私が同伴しない限り英輔は一人でパーティへ出席していた。


けれど今回のパーティはそんなわけにはいかない。


英輔のためにもパーティへ出ないわけにはいかない。


パーティの後が気になってしまうけども、今回は私の我が儘は通らない。


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