結婚してください
英輔は以前とは比べようがないほどに私と子供のことを考えてくれる。
もう3年前の英輔ではないのだからあの屋敷へ戻っても大丈夫なのではないだろうか?
昨日までの不安はどこへ行ったのか、こんな考えをするなんて自分でも驚いている。
あんなに戻りたくないと思っていた屋敷なのに、今日の英輔の姿を見ていると英輔の役に立ちたい気持ちが強まり、屋敷へ戻ることさえ考えるようになった。
このパーティが終わって英輔にこのことを話してみよう。
会場に来たお客様一人一人に挨拶してまわる英輔のそばにいられない分、屋敷では少しでも英輔の妻らしく振舞おう。
そして、結婚後何年も女主が不在だったあの屋敷へ戻り妻として女主としての役割を果たそう。
昨日までの不安はどこかへ飛んでしまい、今の私は英輔のためなら何でもできそうだと感じていた。