結婚してください

「親父には俺たちのこと話した。
反対されたけど、最終判断は俺たちに任せるって言ってくれた。」


説得できたのね。


あれほど離婚はしないって言ってたのに。


英紀の存在は英輔の跡継ぎとしての立場を固めたのよね。


盤石なものにしたからもう私は必要ないってことよね?


英輔の地位は確かなものになったということでしょう?


「離婚届にサインしたらいいのね」


「ああ。今後の生活の面倒は見るし、英紀を取り上げることもしない。
その代り、会いたいときに会わせてくれ。俺は英紀の父親なのだから。」


英紀の父親だから?


会いたいときだけ会う?


英紀が可哀そう・・・・父親のいない生活をさせるなんて。


なんて罪作りなことをしているのだろう。


私たちは人の親になる資格なんてないんだわ。


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