結婚してください
それからだった。
俺が、亜紀を愛していると気付いてから、亜紀を藤堂の家から解放してやりたいと思うようになったのは。
亜紀には笑って過ごせる生活を送らせてやりたかった。
その為には俺と一緒にいないほうがいいと思ったんだ。
だから、離婚することに決めた。
そして、亜紀は時間はかかったが離婚に応じてくれた。
きっと、英紀を俺に奪われると勘違いしたんだろう。すぐには離婚届にサインしなかった。
けれど、俺は亜紀から英紀を取り上げようとは思っていない。
そんなことをすれば亜紀をもっと悲しませてしまう。
亜紀の泣き顔は見たくない。
それに、亜紀が英紀を育てれば俺は英紀の父親としていつでも亜紀に会いにいけるんだ。