結婚してください

「大学は順調にいってるのか?」


「ああ、順調だよ。この分だと4回生の時は時間を持て余すだろうね。」


「そうか。予定通りだな。
専務と常務にはすでに話を付けている。来年からお前にも少しずつ手伝ってもらうぞ。」


「そのつもりでいますよ。」


珍しく親父から呼び出しがかかり藤堂家の本宅へ顔を出しに行った。


親父と弟の住む家だ。


藤堂家の跡取りなのだから、いずれはこの家を継ぐためにここへ戻らなければならない。


今の屋敷は新婚生活を送るための家。


俺が本宅へ戻れば今の俺が住んでいる屋敷はいずれは弟弘樹(ひろき)の住まいとなる。


弘樹も早いもので15歳だ。アイツもあと数年もしないうちに女を連れ込むんだろうな。


女か・・・・


ダメだ・・・・・亜紀を思い出す。


体が反応してしまう。


不味いな・・・


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