結婚してください
「すぐ行くからと待たせておけ!」
いきなりの親父の訪問に正直戸惑った。
亜紀は俺と離婚したことになっているが、親父にはまだ伝えていない。
離婚の話はあくまでも俺と亜紀の間だけの話だ。
「亜紀!! 起きろ!!」
亜紀には話を合わせてもらわなければならない。
親父に知られては困る。
「亜紀!!」
よほど疲れたのか目を覚まさない。
仕方なく俺だけバスローブ姿でリビングへと行った。
俺の姿を見て親父は眉間にしわを寄せた。
まあ、そうだろう。
まだ、寝るには早い時間だ。
なのに、バスローブ姿となれば俺たちが何をしていたのか想像はつく。
けれど、これだと俺たちの関係は疑われずに済むだろう。
「こんな時間から子作りか?
まずはその恰好を何とかして来い。」
流石に俺も気まずい。
親父に言われなくても着替えたかったんだ。
すぐに寝室へ戻り洋服に着替えた。