結婚してください

「いつまで新婚気分でいるんだ。
二人目はまだ早いだろう?」


新婚気分だって?


冗談じゃない。


俺たちは数か月間会っていなかったんだ。


本当に久しぶりに会って燃え上がってしまったんだ。


たまたまそんな日に親父がやって来るなんて。


なんて最悪な日になったんだ。


いや、案外この日でよかったんだ。


俺のいない時に親父が来れば、また面倒が増えてしまう。


それに、亜紀を混乱させてしまう。


「いったい何事ですか?
いきなりやって来るとは。」


「お前がいつまでたっても孫と会わせないから会いにきただけだ。
英紀はだんだん凛々しくなるな。お前の小さい頃とそっくりだな。」


本当に英紀は父親の俺によく似ている。


俺の子供の頃の写真と見比べると驚くほどに似ている。


だから余計に英紀は愛おしい。


亜紀と同じくらい愛している。


「亜紀さんはまだベッドの中か?」


「あ、ああ。ちょっと無理させたみたいで・・・その・・・・」


かなり派手にやった気がする・・・・


親父が来ると分かっていたらもう少し手加減できていたと思うが。


こういうのは、親子の間では気まずい話題なんだよな・・・


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