結婚してください
「そうだ、今日は学校帰りにお前を連れてくるように親父に頼まれているんだ。」
「私を?ご用なの?」
「そうだろ、用がなければ呼び出しはしないだろ?」
「どんな用なの?」
「さあ」
もしも、用件の内容を知っていても教えないと言うような顔をされた。
不敵な笑みを浮かべている英輔を見て、私にとってはあまり良い話しではなさそうだ。
「なあ、亜紀。今度の休みにでも指輪見に行く?」
「・・・結構です。」
「お前の好きなもの買ってやるから選べよ。
来週にお披露目パーティがあるから必要なんだよ。」
「パーティ?」
「そう、俺たちのお披露目のな。
もう逃げられないから観念しろよ。」
もしかして英輔の父に呼ばれたのはそのお披露目パーティのことだろうか?
婚約指輪は確かにまだ貰っていない。一応、両家では顔合わせをして正式に婚約者とはなったけど、まだ指輪を買ってもらってはいなかった。
それは、私が要らないからと拒否していたからもあるけど。