結婚してください

「明日、誘ってもいいかな?
それともクリスマスイブは先約でも?」


亜紀は頭を左右に振った。


これまでこんな風に誘ったことはなかったと思う。


たぶん俺は初めて亜紀を誘った。


それも、こんなドレスと宝石を身に着けて本格的なディナーへ。


「明日、迎えに来るよ。
支度は執事の吉沢へ頼んでおくから亜紀は気にせずに明日一緒に来るだけでいい。」


「でも、私はもう・・・」



離婚した元妻だから迷うのか?


けれど、ディナーは夫婦であろうとなかろうと関係ないのだから。


亜紀は気にせずについてくればいい。


「何も気にしなくていい。
明日のディナーを楽しんで欲しいだけだよ。
英紀をいつも世話してくれているご褒美だと考えてくれればいい。」


「分かったわ。
じゃあ、明日、ディナーを楽しみにしているわね。」


「それでいい」


ディナーの誘いが嬉しかったのか珍しく俺に微笑む亜紀。


俺まで嬉しくなってしまう。


こんな亜紀の笑顔を見れるのだったら何度でもディナーに誘いたいよ。

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