結婚してください

そして時間になると英輔が迎えにやってくる。


英輔の姿も凛々しくてつい見とれてしまった。


素敵!


英輔はやっぱり段違いで格好良いわ。


長身で細見のようだけど逞しい体をしている。


タキシードの上からでも英輔の逞しい体は分かる。


「亜紀、とても綺麗だ。このままベッドへ行きたくなるよ。」


そんなセリフ、誰にでも言っているの?


別れた妻まで気を遣わなくても大丈夫よ。


だけど、それでもお世辞でもそんな言葉を聞けるのは嬉しい。


「英輔も素敵よ。
このまま二人で過ごしたい気分だわ。」


私は本音よ。


気を使ったわけでも、お世辞でもなんでもない。


素直な気持ちだわ。


「亜紀・・・」


英輔の頬が少しピンク色に染まって見えるのは私がそうだから?


英輔の手が頬に触れるとそのままキスされた。


温かくて優しく、そしてとても甘いけど深いキス。


離婚した後にこんな気持ちになるなんて。


こんなふうに英輔と過ごしたいって思えるなんて。


もっと触れていたい。


英輔ともっと幸せな時間を過ごしたいなんて。


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