結婚してください
忙しいはずの英輔は時間を作り私のマンションを訪れたのは、山崎とお茶をして数日後のことだった。
吉沢さんからの報告を受けた直後のことだった。
マンションを訪れた英輔は、まるで怒り狂ったような獣のような顔だった。
恐怖さえ感じてしまう英輔に田中さんも山田さんも戸惑っていた。
しかし、吉沢さんだけは冷静だった。
そう、山崎と密会しているような報告書を書いた張本人だ。
英輔がそのことで怒りに任せて私を訪問してきたのを理解していた。
「来い!!」
英輔に腕を掴まれ寝室へと連れて行かれた。
吉沢さんは田中さんと山田さんに指示を出し、寝室から離れた部屋へと英紀を連れて行きそこで待機させていた。
そうとは知らず私はいったい何が起きているのか恐怖さえ感じた。
「そんなに山崎が恋しいのか?」
「?!」
ベッドへ叩きつけるようにほうり投げられた。
握り締められた腕の痛みに英輔の怒りが伝わってきた。