結婚してください

英輔が帰った後も私はまだベッドから起き上がれずにいた。


少し痛みが残る体を起こし、ベッドに座ったままでいた。


散らばる服を見てため息が出る。


そして、英輔恋しさから涙が溢れ流れる。


ベッドに座る私の隣には枕が並んでいるだけ。


そして乱れた布団を見ると英輔の怒りと温もりを感じてしまう。


「どうして・・・どうしてこうなるの?」


どう気持ちを整理していいのか分からない。


自分の気持ちとどう向き合えばいいのかも分からなくなる。


それからしばらくそのまま声を上げて泣いていた。



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