結婚してください
いきなりの山崎の電話に思わず電源ボタンを押した。
英輔にこれ以上誤解されたくない。
またあんなふうに英輔を怒らせたくない。
そんな気持ちが働き、無意識のうちに電源ボタンを押していた。
いきなり電話を切られ山崎はどう思ったのだろうか。
もうすでに終わった間柄なのだから連絡をしてこないで欲しい。
そう思っていると、再び山崎から電話が入る。
私はこれ以上山崎とは関わらないと決め着信拒否を続けた。
山崎は何度も何度も電話をかけてきた。
私は山崎と会うつもりはなかった。
今は、山崎より英輔のほうが大事。
既に離婚してしまっているけども、それでも、私を大事にしてくれる英輔しか考えられない。
愛人でもいい。
それでもいいと自分に言い聞かせ英輔との関係を終わらせたくなかった。