結婚してください
「亜紀様、英輔様からディナーのお誘いの連絡が来ました。
その日は、あのドレスを着て準備をして欲しいそうです。」
吉沢さんは自分のことのように嬉しそうに言ってくれた。
けれど、私はどう受け止めていいのか分からず戸惑いのほうが大きかった。
それでもディナーへまた誘ってくれたのが嬉しくて英紀の世話もそっちのけでチョコ作りに励んでいた。
「ディナーの席でお渡しになられるのですか?」
「まさか! 渡せそうな雰囲気になったら渡そうかと思って。
だって、一流のレストランで手作りチョコなんて・・・・」
「頑張ってくださいね」
せっかく英輔が誘ってくれたんだから。頑張る!
少しでも英輔に好きになってもらいたいから。
いつまでも愛人みたいな生活はイヤだし。
元妻という関係でもいい。もっと触れ合いたいから。