結婚してください
前回と同じホテルのスウィートルームへと入る。
テーブルの上にはすでに何かの箱が置いてある。
英輔に手を引っ張られテーブルへと行く。
「開けてごらん。俺からのバレンタインのプレゼントだよ。」
え? でも、バレンタインって女が男にチョコを渡す日でしょ?
プレゼントの箱を開けてみると、そこにはネックレスとお揃いのエメラルドにダイヤが散りばめられた指輪が入っていた。
「素敵!!」
イブニングドレスとネックレスに合った指輪。
豪華な造りだけどそれでもシンプルなデザインでとてもシックなイメージだ。
派手そうで派手でない。
「ありがとう。とても嬉しいわ。」
英輔はケースから指輪を取り出し私の左手薬指にはめてくれた。
それってどういう意味?
私たち離婚したのだから、そこに指輪をはめるっていうのは・・・
そういう意味で受け取っていいの?
「亜紀は俺のものだ。
誰にも渡さないから。」
それって単なる独占欲?
元妻に元彼が近づいたから?
だとしたら英輔の気持ちはそこにはないんだわ。