結婚してください

「おいで」


まるで愛人と同じ。


宝石をあてがわれてベッドで喜びを与える。


どんなに思っていても相手には通じない。


心の通わない抱擁。


それでも、その時だけは英輔は愛してくれる。


時間をかけてゆっくりと私の気持ちを高ぶらせてくれる。


この上ない喜びとともに英輔を感じながら何度も英輔に溺れていく。


「そろそろシャワー浴びてこよう。」


英輔に抱きかかえられ浴室へと行く。


いつもに増して優しく接してくれる。


今日がバレンタインだから?


浴室へ行くとシャワーの熱気にむせてしまう。


「大丈夫か?」


「大丈夫・・・なんだか・・・急に・・・・気持ち悪くて」


ああ、これって・・・・


「うっ・・・ダメ・・・」


吐き気で浴槽に蹲った。


「亜紀?!」


貧血で急に眩暈を起こしてしまった。


英輔に抱きかかえられバスローブを着せてもらうとそのままベッドに横になった。

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