結婚してください

こんな時間にいったい誰だ？


それに、この携帯電話は亜紀の電話だ。


俺は嫌な予感がした。


直ぐに電話を取りディスプレイを確認した。


しかし、誰からの電話なのか分からない。


画面には電話番号が表示されているだけだ。


これは、もしやと思い急いで通話ボタンを押した。


「もしもし！！
よかった、やっと出てくれたんだね。
亜紀、考え直してくれよ。」


いきなり話し始めた相手の声は、二度と聞きたくない声だ。


山崎からの電話だった。


「もしもし？！
亜紀、聞いているんだろ？！」


「山崎か？」



俺の声に山崎の反応が一瞬なくなった。


「お前、どういうつもりで亜紀に電話をかけている。
亜紀だって迷惑しているんだ。」



直ぐにでも電話を切ってやりたい気持ちで一杯だ。


しかし、ここで、山崎にハッキリさせなければストーカーにでもなられたら俺は山崎をどんな目に合わせるか分かったものじゃない。


それくらい、俺は山崎を憎んでいるんだ。