結婚してください

屋敷に着くとそこには英輔の父が待っていた。


今夜は一緒に夕食をとるのが私が呼ばれた理由らしい。


お屋敷での食事だけど、綺麗に着飾られてお嬢様のようになった私を英輔はエスコートする。


慣れたものだね。これまで何度もこうやって女の子をエスコートしてきてるんだろうね。


「亜紀さん、久しぶりだったね。お父様はお元気ですか?前回の食事以来だからね。」


「はい、お陰様で両親は元気でいます。それだけが取り柄のようなものですから。」


「いや、健康が一番だよ。
うん、今日はまた一段と艶やかで可愛いお嬢様に仕上がったな。
英輔は日頃から良くしているかな?」


「はい、英輔さんには良くしていただいています。」


「そうか、それは良かった。今夜は食事しながら少し話しをしたいと思ってね。」


「はい。」


英輔はまったく口を挟もうとはせずに、ただひたすら無言のまま食事の席につく。


英輔の父親と英輔、それと私の3人での食事だ。


英輔の母は、英輔が小さい頃事故でなくなったらしく、その後後妻を迎えることなく男手で子どもたちを育てたということらしい。


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