結婚してください

「どうかした? 顔が赤いけど。」



「な・・・なんでもないのっ!」



英輔に抱きかかえられて動揺しているなんて知られたら絶対に笑われる。


気づかれないようにしなきゃ。恥ずかしい!


なんだか体が熱くなる。


英輔に触れられているところが熱い。


いったい、私はどうしたんだろ?



「血圧が下がったり上がったりと、亜紀は忙しいね。
今夜は大人しく寝ているんだよ?」


いつもに増して優しい英輔。


同じ命令口調でも言葉端がこれまでとは違う。


以前は冷たく人を蔑んだ言い方だったと思う。


なのに、今は・・・・・・


英輔の命令が心地よい。


私、やっぱりどこか変。


どこかで頭を打ったのかしらね?



私の部屋へ入るとベッドに下ろしてくれた。


そしてお休みのキスを額にすると何も言わずに部屋から出て行った。


英輔って優しい人なのか冷たい人なのか分からない。


そしてそんな英輔にドキドキしている。


恥ずかしさで枕に顔を埋めそのまま眠ってしまった。


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