結婚してください

学校帰りに一度亜紀と一緒に買い物に寄ったスーパー。


また二人で一緒に行ってみる。


店に入るとカゴを手に取りカートに置いた。


「へえ、お坊ちゃんなのにそんなことするの?」


「前に、亜紀が教えてくれただろ。」


「そうだっけ?」


そうだ。カートを使えばたくさんの買い物が楽にできる。


今日、亜紀が好きそうなものを買って帰るか。


せっかくスーパーへ来たんだしな。


「亜紀、食べたいものなにかある?」


「そうねぇ。とりあえず見て回ろう。」


俺はカートを押しながら亜紀が品物を物色する姿を見ていた。


嬉しそうに陳列棚にある果物を見ている。


「美味しそうね。この季節にまだスイカがあるよ。英輔、食べる?」


「スイカは体が冷えるぞ。季節の果物が良くないか?」


「それもそうね」


どれにしようかと種類の多い果物売り場で悩んでいる。


悩む亜紀の微笑ましい姿が可愛い。俺まで嬉しくなる。


ここがスーパーで良かった。こんな亜紀を見ていたらきっと抱きしめていた。


人の目がなかったらきっと亜紀を困らせてしまっていただろう。


< 319 / 442 >

この作品をシェア

pagetop