結婚してください
学校帰りに一度亜紀と一緒に買い物に寄ったスーパー。
また二人で一緒に行ってみる。
店に入るとカゴを手に取りカートに置いた。
「へえ、お坊ちゃんなのにそんなことするの?」
「前に、亜紀が教えてくれただろ。」
「そうだっけ?」
そうだ。カートを使えばたくさんの買い物が楽にできる。
今日、亜紀が好きそうなものを買って帰るか。
せっかくスーパーへ来たんだしな。
「亜紀、食べたいものなにかある?」
「そうねぇ。とりあえず見て回ろう。」
俺はカートを押しながら亜紀が品物を物色する姿を見ていた。
嬉しそうに陳列棚にある果物を見ている。
「美味しそうね。この季節にまだスイカがあるよ。英輔、食べる?」
「スイカは体が冷えるぞ。季節の果物が良くないか?」
「それもそうね」
どれにしようかと種類の多い果物売り場で悩んでいる。
悩む亜紀の微笑ましい姿が可愛い。俺まで嬉しくなる。
ここがスーパーで良かった。こんな亜紀を見ていたらきっと抱きしめていた。
人の目がなかったらきっと亜紀を困らせてしまっていただろう。