結婚してください
亜紀が屋敷を出て行ってからと言うもの英紀は亜紀の姿を探し泣いている。
沙紀もそうだ。亜紀の姿を探している。
母乳はなくても粉ミルクがあれば子どもは育つ。
看護師もいれば子守もいる。子ども達の為に雇っている彼女らは優秀な人材だ。
英紀と沙紀の為に一生懸命尽くしてくれる。
けれど、やはり母親の愛情には負ける。
どうしても亜紀が必要だ。
だけど、亜紀は藤沢愛華を疑っている。
俺はもうあの女とは関係がないのだと思い知らせたかった。
つい怒りに任せ亜紀を抱いたことで亜紀はまた逃げ出した。
けれど、今回は深刻だ。
子ども達の母親を奪うようなことは出来ない。
それに、俺は今度こそ亜紀を手に入れたい。
いつも亜紀に逃げられる。
だけど、俺はもうこんな生活はイヤだ。
絶対に亜紀を取り戻す。
亜紀の記憶がどうあれ、亜紀を取り戻すんだ。
そうだ、俺はあのマンションで亜紀を抱いた時、俺は気持ちを伝えるつもりが何も言えなかったんだ。
もう、間違わない。