結婚してください

1日目、2日目、3日目と過ぎていく。


勿論、泊まり込みしたいが子ども達をまったく使用人だけに任せてはおけない。


夜10時ころになると一度屋敷へと帰る。


そして、子ども達の部屋で一緒に過ごす。


亜紀がいないからか英紀が夜泣きを始めた。


沙紀もまた授乳後ぐずってしまう。


亜紀がいなくなってそれらの症状が激しくなっているようだ。


二人の子どもをあやすのに俺も勿論手伝った。


母親の代わりは出来なくても、俺は父親だ。少しでもこの子たちの寂しさを紛らすことが出来ればと思った。


しかし、母親ほどの力はない。亜紀、君はいったいどんな魔法を使っているんだ?


君がこの子らを抱くだけで安心して眠るのに。


俺じゃあ、亜紀ほどはできない。


この子だけじゃない。俺も亜紀がベッドに居ないだけで寂しい夜を過ごしている。


心に大きな穴があいたようで俺はどうしていいのか分からなくなる。


< 343 / 442 >

この作品をシェア

pagetop