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英輔の吐血は検査の結果胃潰瘍だった。
緊急手術をすることにはなったが命に係わるほどではなかった。
そう説明を聞くとまずは安堵した。
流石に藤堂家の跡取り息子の吐血に藤堂の義父も病院へ駆けつけてくれた。
私は英輔と夫婦間の問題が多く義父には顔を会わせ辛かった。
それでもこうなった経緯を話す必要があるだろう。
義父に離婚話を言い渡されても仕方ないことだと思っている。
英輔をこんな目に合わせたのだから。
私に原因があるのだから。
けれど、私に義父はそんなことは一言も言わなかった。
ただ、英輔を頼むとそれだけだった。
そして、一つだけ教えて欲しいと、
「亜紀さん、君は英輔をどう思っているね?」
「私は、英輔さんを愛しています。心から。」
すると義父は嬉しそうに微笑んでくれた。
さすがに義父は息子の病状を案じ、この日は手術が終わるまで病院へ残ると言ってくれた。
なので、私は残された子ども達が心配だったので一度家へ戻ることにした。