結婚してください
さおりのお陰で「藤沢愛華」が英輔の女だということは判明した。
ただ、彼女と接触するにはどうしたら良いのか。これを考える必要がある。
けれど、今日からは花嫁修業として藤堂家で暮らすことになる。そうなると、益々持って彼女と接触を計りたくても計れそうにない。
その日の夕方、早速迎えの車がやってくると英輔が合いも変わらず教室へと迎えに来ては一緒に車に乗って帰って行く。
屋敷に着くと使用人たちの出迎えを受ける。
「おかえりなさいませ」
これには私はどうにも慣れない。
使用人と私の家の暮らしを考えれば、下手すればここの使用人の方が生活は豊かなのかもしれない。
そんなことを考えてしまうと気分が落ち込んでしまう。
「英輔様、藤沢様がお待ちですが如何致しましょう?」
え?! 英輔の女が来ている?! 婚約者がいても会っているんだ。
そうか、好きな女はそばに置くんだったね。
私は邪魔者なんだ。