結婚してください

「亜紀様はお体は大丈夫ですか?
英輔様は、亜紀様の体調を特にご心配されていましたから。」


相変わらず執事の柴崎さんは英輔のことばかり考えているのね。


でも、大丈夫。今、こんな時に私が倒れるわけにはいかないの。


英輔のためにも、あの子たちのためにも私は大丈夫。


「心配いらないわ。私なら大丈夫よ。
では、病院へ行ってきますので、後のことは任せます。
お願いね、柴崎さん。」


「はい、いってらっしゃいませ。奥様」


「ええ」


柴崎さんはこんな状況なのに嬉しそうな顔をしていた。


私が英輔の妻としてこの屋敷へ戻ってきたことが嬉しかったのだろう。


私は、英輔の妻なのだから私がしっかりしなければいけない。


女主がここを取り仕切らなくては。これ以上英輔の負担になりたくない。



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