結婚してください

「それにしても、不仲な割にはお子様だけはたくさん作られますね」


それは柴崎さんからの嫌味だった。


これまで散々心配させてきたのだ。これくらいの嫌味は有難くいただこう。


しかし、柴崎さんの言葉にみんな爆笑していた。


確かにそう言われればそうだ。


離婚するのしないのと、浮気したのしていないのと、それは私たちは大騒ぎして別居してほとんど一緒にいなかった。


なのに、年子で3年連続出産になるのだ。


「結婚後別居ばかりなのに、どこで子作りしてたんだ?」


草薙さん、無礼講とは言えその質問はあまり歓迎できないですよ。


けれど、みんな興味深々のようで一斉にみんなの視線を浴びた私たち。


私は顔が真っ赤になり俯いたままだったけど、英輔はよほど結婚式が嬉しかったのかみんなのまえで遠慮することなく答えていた。


「愛があればどこででもできるものさ」


そう言うとしっかり抱きしめてとびきりのキスをしてくれた。


「おおっ!!!」


会場は二人のアツアツぶりに大騒ぎ。


英輔がこんなにべたべたする人だとは思わなかった。


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